仕事内容を教えてください。
半導体の製造に不可欠な電子薬剤の研究開発です。その電子薬剤とは、半導体に微細加工を施す際に必要な物質のことです。この電子薬剤をほんの少し変えるだけで、これを用いて製造される半導体のパフォーマンスを大きく変えることができます。つまり日常生活に無くてはならない、半導体が使われるあらゆる電子機器の性能や進化に関与している研究だといえます。
仕事のスケジュールは主に「研究室で過ごす日」と「お客様の元へ出向いて打ち合わせやご提案をする日」に分かれます。前者の場合は出社してメールチェックを行い、前日に計画した研究の準備に取りかかります。反応時間待ちが必要な実験を午前中に実施して、昼休み終了直後に結果が出るようにするなど効率的に時間を使って、残業しないよう工夫しています。実際に繁忙期以外はほぼ定時に帰ることができるので、同じ研究職に就いた大学時代の友人には羨ましがられています。
入社を希望した理由は?
大学の研究室では有機合成の分野を専攻しており、学んできた知識が活かせそうだと思ったからです。採用面接の時に、役員の方々がすごく楽しそうに研究の話をされていたのが印象的でした。ここなら伸び伸びと自分のやりたいことができると感じたからです。
また当社の多彩な事業分野も魅力でした。1つの分野に特化することは大切ですが、何かあった時にリスクが大きい。一方、当社の場合は、化成品と食品という異なる分野を持っており、外的要因から一方の分野が危機的状況に陥ったとしても、もう一方の分野で補完できるようにリスクヘッジされています。メーカーでありながら商社機能を持っていることも市場ニーズを把握する上で有利になります。企業としての将来性と成長に確信を持ったのが決定打です。福利厚生の充実や、事業所が都市部にあって通勤に便利なことも、入社を決める大きなポイントでした。
入社前と後で
会社の印象は変わりましたか。
研究職であっても、お客様を訪問する機会が多いことに驚きました。学生時代の研究室では外部と接触がなく、入社前は研究職はほとんど社外に出ない仕事だと思っていました。しかし現実は研究担当としてサンプルを提案したり、テスト結果をフィードバックしていただくためにお客様と面談することもしばしばあります。お客様の評価やニーズを生の声で聞けることの有用性を日々実感しています。
採用面接の時に「楽しく伸び伸びと働けそう」と感じた社風も想像以上で、自由に仕事ができる環境が整っていますね。大学の専攻と入社後の担当分野の専門性が直結したこともあり、入社後すぐにお客様からの依頼案件を担当させてもらえました。「実験手法は任せるから」と言われた時は、信頼されている嬉しさと責任感にモチベーションがぐっと上がりました。和やかな雰囲気の中で、上司や先輩に職務上の質問もしやすく、問題があっても早期に解決できるので安心です。
やりがいや難しさは、
どんな時に感じますか。
半導体の世界は日進月歩。お客様に求められる品質やパフォーマンスも、どんどん向上していきます。特に近年は一筋縄ではいかない案件が多く、時には“世の中にまだ報告されていない製品”を生み出す命題が課せられることも。ゼロから何かを生み出すには今ある自分の知識だけでは歯が立ちません。新たな手法や条件検討を試しつつ試行錯誤を重ねるのですが、難しいミッションだけに成功すれば非常に大きな達成感を得られます。
嬉しかったのは、製品の安定化に貢献できたこと。不安定な性質のある製品を私が担当した際に「何とかしなければ」と感じ、安定化のための手法を開発しました。そのメソッドが今では他の製品にも応用されており、ささやかではありますが成功体験として思い出に残っています。
この会社でどんな成長が
できたと感じますか。
疑問や悩みがあれば、周囲に相談するようになったことです。昔は無知だと思われるのが嫌だったので、わからない点があっても自身で調べていました。しかし時間は有限であり、私だけのものではありません。効率的に仕事を進めるためにサポートを求めるのは、恥ずかしいことではないと思えるようになりました。どういう尋ね方をすれば気持ちよく答えてもらえるか…そんなコミュニケーションの方法も少しずつ学んでいる最中です。
まだまだ半人前ではありますが、研究者としての知識や技術も入社時に比べると格段に成長していると思います。社内にはあらゆる専門書が揃っていたり、最新の研究論文にアクセスできるデータベースがあったり、スキルアップには最適の環境。海外の文献や論文を読むために、今後は会社の語学研修も受ける予定です。
就活生にメッセージを
お願いします。
当社は、いわゆるBtoB企業です。学生さんにとっては馴染みがないかもしれませんが、私自身は入社して本当に良かったと感じています。それは福利厚生や給与の満足度だけでなく、自由に仕事ができる環境と、仕事を通して社会の役に立つ実感を持てるからです。自身が携わった製品を、世の中の人々が使用して喜んでくれる…これ以上のやりがいや喜びがあるでしょうか。
私の職種に必要なのは、何ごともやってみようとする好奇心とチャレンジ精神です。理論通りの結果が出なくてもトライ&エラーを繰り返せる人が研究職を思う存分楽しめると思います。私と一緒に切磋琢磨しながら、“世の中の「役に立つ」”を実感しませんか。