仕事内容を教えてください。
主に、既存の多糖類を使って新しい多糖類製剤をつくり出す応用開発を行っています。20種類以上ある多糖類を組み合わせてみたり、配合を変えてみたり、食感等の物性に変化を加えることで、これまでになかった多糖類製剤を生み出しています。
組み合わせは無限なので、最適な処方をつくるのはなかなか大変。それでも、お客様からの「もっとトロッとした食感に」とか、「もう少し甘味を抑えて」といった要望にお応えするため、日々研究室でトライアンドエラーを繰り返しています。
やりがいや難しさは
どんな時に感じますか。
大学時代の研究は成果が見えにくい場合が多かったのですが、今の仕事はお客様からリアクションが返ってくるし、自分のアイデアが店頭に並んでいる市販品という立派な形になる可能性もあります。自分の関わった食品がお店にずらっと並んだら…想像するだけで楽しいし、大きなモチベーションになります。
食べることが大好きなので、ゼリーやアイスクリーム、ドレッシングなどバラエティに富んだ製品に携われることも楽しみのひとつです。加工食品の原材料表示を見ると大体、多糖類が使われていて、その多くに当社の製品が関わっていると思うと、すごい会社で研究開発しているんだなって感じます。
ただ、お客様あっての研究開発なので、コストや納期にはシビアな面もあります。この組み合わせなら理想的な多糖類製剤になる!という時でも、コストが見合わなければほかの方法を考えなければなりませんし、もちろんその作業にも期限があります。
許された時間と予算の中でベターな答えを出すためには、知識と経験、そして「ひらめき」が大切。私は先輩方にどんどん質問して、自分では思いつかないようなアイデアにふれることで、ひらめきにつなげています。
研究所の雰囲気や
設備環境を教えてください。
一般的に研究者って、一人で黙々と…というイメージが強いですよね。でも、この職場はまったく違います。でき上がった素材にみんなで意見を出し合う時などは、若手でも遠慮なく考えを伝えるし、先輩もその意見に耳を傾けてくれます。
私が積極的にアドバイスを求められるようになったのも、この雰囲気のおかげ。研究開発には客観的な目線や意見を取り入れる姿勢が大切だと気づかせてもらいました。
設備面においても、最新の機器が揃う恵まれた研究環境だと思います。本当に必要なら若手研究者のリクエストを採用してもらえることも。あらゆる角度から商品を評価する際に、多彩な機器を活用できるのは研究者として嬉しい限りです。
会社の研修制度や福利厚生
について教えてください。
研修は様々な種類があるので、入社後も自分に足りないスキルを磨くことができます。私はこれまでにビジネスマナーや英会話の研修を受講。英語は研究開発であっても海外の企業と直接やり取りする場面があるので、受けて良かったと思える研修ですね。今後、興味があるのはロジカルシンキングやリーダー育成といった分野。働きながら成長していけるのが楽しみです。
福利厚生は「産休」「育休」「時短勤務」はもちろん「看護・介護休暇」などもあり、女性に限らず働く人のライフイベントを支える仕組みが整っています。私自身も、この先10年、20年と長く働いていくつもりなので、こうした制度は心強いですね。
多糖類の研究開発の仕事にはどんな方が向いていると思いますか。
私たちが与えられる課題は、考えてすぐに答えが出るものではありません。普段からスーパーに並ぶスイーツなどを見て、「どうつくっているのかな」と想像したり、移り変わりの速い食のトレンドをおさえたり、常に興味を持ってインプットしておくことが大切です。その点、好奇心が強く、能動的に考えたり動いたりできる人は、自然とアンテナを張れるんじゃないでしょうか。
私はコンビニなどで新商品を見るとつい買ってしまうので、おいしくいただきながら、「この食感新しい」とか「あの多糖類が使われているな」って分析しています。食べることが好きな人は、きっと楽しく仕事ができるはずです。
どんな方と
一緒に働きたいですか。
自分の意見を大切にしつつ、人の意見も受け入れ、状況に応じて考えを変えられる素直で柔軟な方でしょうか。私のグループが研究開発している味や食感は主観的なものなので、10人が揃って「おいしい」「いい食感だと思う」と反応することはまれです。
そんな時に、自分の感性を大切にしつつも少数意見をきちんと拾って活かせる方となら、うまく協力して仕事を進められるんじゃないかと思っています。