アセチレン誘導体
当社が取り扱うアセチレン誘導体はアセチレンを出発原料とした製品群となります。溶剤、界面活性剤、モノマー、機能性ポリマーなど幅広い分野で使用されている製品を取り扱っています。当社は日本において長年にわたり販売活動を行っており、豊富な製品知識をもってお客様の製品開発をサポート致します。
製品ラインナップ
溶剤
界面活性剤
ビニルモノマー
機能性ポリマー ビニルピロリドンポリマー
機能性ポリマー ポリメチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー
溶剤
γ-ブチロラクトン (GBL)
5員環のラクトン構造を有する極性溶媒です。インクジェットインキの溶媒や産業用クリーナー、樹脂用溶媒としてご使用いただけます。
沸点 | 引火点 | 凝固点 | 粘度(mPa・s) | 比重 |
---|---|---|---|---|
204℃ | 93℃ | -44℃ | 1.2(25℃) | 1.124(25℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
96-48-0 | 5-3337 | 危険物第4類第3石油類 |
2-ピロリドン
5員環ラクタム構造を有し、水や多種多用の有機溶媒に混合する高沸点の溶媒です。印刷インキの溶剤や樹脂の可塑剤としてもご使用いただけます。
沸点 | 引火点 | 凝固点 | 粘度(mPa・s) | 比重 |
---|---|---|---|---|
245℃ | 129℃ | 25℃ | 13.3(25℃) | 1.116(25℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
616-45-5 | 5-112 | 危険物第4類第3石油類 |
N-メチル-2-ピロリドン (NMP)
5員環ラクタム構造を有し、水や多種多様の有機溶媒に可溶な極性溶媒です。
電子機器用の洗浄やコーティング・フォトレジストの剥離、二次電池用の溶媒などに幅広くご使用いただけます。
沸点 | 引火点 | 凝固点 | 粘度(mPa・s) | 比重 |
---|---|---|---|---|
202℃ | 90℃ | -24℃ | 1.7(25℃) | 1.027(25℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
872-50-4 | 5-113 | 危険物第4類第3石油類 |
N-エチル-2-ピロリドン (NEP)
5員環ラクタム構造を有し、単独または他の水溶性溶媒と併用して使用可能です。N-メチル-2-ピロリドンの代替としてもご使用いただけます。
沸点 | 引火点 | 凝固点 | 粘度(mPa・s) | 比重 |
---|---|---|---|---|
200℃ | 92.8℃ | -70℃ | 3.5(25℃) | 0.993(25℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
2687-91-4 | 5-113 | 危険物第4類第3石油類 |
N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン (HEP)
フォトレジスト剥離剤や塗料剥離剤、その他洗浄剤の溶媒として、単独または他の溶媒と併用してご使用いただけます。
沸点 | 引火点 | 凝固点 | 粘度(mPa・s) | 比重 |
---|---|---|---|---|
295℃ | 160℃ | 20℃ | 53(25℃) | 1.139(25℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
3445-11-2 | 5-6952 | 危険物第4類第3石油類 |
界面活性剤
N-オクチル-2-ピロリドン
N-オクチル-2-ピロリドンはHLB値が6で、泡形成の少ない非イオン性の湿潤剤です。陰イオン界面活性剤のミセルと相互作用するため、水溶性が高く、低濃度で界面張力の低下と濡れ性の向上が得られます。幅広い洗浄剤の湿潤剤、湿し水のイソプロピルアルコールの代替、顔料分散助剤等でご使用いただけます。
沸点 | 引火点 | 凝固点 | 粘度(mPa・s) |
---|---|---|---|
100℃(0.3mmHg) | 113℃ | -25℃ | 8(20℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
2687-94-7 | 5-6342 | 危険物第4類第3石油類 |
N-ドデシル-2-ピロリドン
N-ドデシル-2-ピロリドンは水への溶解性は低く、ほとんどの有機溶媒に溶解します。また、HLB値は3で、泡形成の少ない非イオン性の界面活性剤です。
沸点 | 引火点 | 凝固点 | 粘度(mPa・s) |
---|---|---|---|
145℃(0.2mmHg) | 116℃ | 10℃ | 17(25℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
2687-96-9 | 5-6343 | 危険物第4類第3石油類 |
ビニルモノマー
N-ビニル-2-ピロリドン
5員環ラクタム構造にビニル基が結合した構造をしており、一般的にUV硬化用の反応性希釈剤として使用されます。また、ポリマーの重合用モノマーとしてもご使用いただけます。
沸点 | 融点 | 引火点 | 粘度(mPa・s) |
---|---|---|---|
193℃(400mmHg) | 13℃ | 96℃ | 2(25℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
88-12-0 | 5-114 | 危険物第4類第3石油類 |
N-ビニル-2-カプロラクタム
カプロラクタムにビニル基が結合した構造をしており、UV硬化用の反応性希釈剤として使用されます。一般的にアクリル酸系オリゴマーと使用することで溶液粘度を低下させ、基材への密着性が向上することからUVインキ用としてご使用いただけます。
沸点 | 融点 | 引火点 | 粘度(mPa・s) |
---|---|---|---|
116℃(10mmHg) | 35℃ | 114℃ | 3.5(40℃) |
CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|
2235-00-9 | 5-6239 | 非該当 |
トリエチレングリコールジビニルエーテル
二官能の反応性希釈剤で、一般的にフリーラジカル硬化性のコーティングや印刷インキにおいて使用されます。また、硬化後の膜に柔軟性を付与するような用途においてもご使用いただけます。
純度 | 沸点 | 凝固点 | 引火点 | 粘度(mPa・s) | 屈折率 |
---|---|---|---|---|---|
98.5% | 120~126℃(18mmHg) | -8℃ | 119℃ | 3(25℃) | 1.4695(25℃) |
ホモポリマーのTg | 皮膚刺激性 | CAS No. | 化審法 | 消防法 |
---|---|---|---|---|
20℃ | 軽微 | 765-12-8 | 7-1321 | 危険物第4類第3石油類 |
機能性ポリマー ビニルピロリドンポリマー
ポリビニルピロリドン
吸湿性の非結晶高分子ポリマーで、流動性の高い粉末または水溶液でご提供可能です。低分子量から高分子量まで様々なグレードをラインナップしています。水や有機溶剤系にも可溶で、毒性はなく安全な機能性ポリマーです。
- 溶解特性
- 水および殆どの極性溶媒に溶解。エステル、エーテル、ケトン、炭化水素には不溶。
- 化学特性
- このポリマーに固有の特にラクタム環に由来する特性により特徴的な用途が可能。
- 高極性
- フェノール、カルボン酸などの水素供与体、陰イオン性染料、無機塩と複合体を形成。
- 分散性
- PVPの使用によって混合物中成分の均一な分散に寄与。
- 親水性
- PVPの高い水溶性は大きな特徴であり、PVPの他の特性とともに数多くの用途に有益。
- 接着性
- 水性媒質中でPVPの比較的高い分子量を利用し、各種用途に向けた接着性を付与。
- 凝集性
- 乾式混合および造粒法を介して、凝集力を利用。
グレード | 外観(@25℃) | K値 (1%粘度溶液) |
有効成分 | 灰分(燃焼) | pH(5%水溶液) | 分子量 (GPC/MALLS) |
Tg(℃) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
PVP K-12 | 黄白色粉末 | 10-14 | >95% | <0.02% | 3-5 | 5,000 | 120 |
PVP K-15 | 黄白色粉末 | 13-19 | >95% | <5% | 3-7 | 9,700 | 130 |
PVP K-30 | 黄白色粉末 | 26-35 | >95% | <0.02% | 3-7 | 66,800 | 163 |
PVP K-60 | 黄色水溶液 | 50-62 | 45-49% | <0.044% | 3-7 | 396,000 | 170(凍結乾燥) |
PVP K-90 | 黄白色粉末 | 88-100 | >95% | – | 3-7 | 1,570,000 | 174 |
PVP K-120 | 黄白色粉末 | 114-130 | >95% | – | 4-8 | 3,470,000 | 176 |
ポリビニルポリピロリドン
ポリビニルピロリドンが高度に架橋された流動性のあるポリマーです。水および有機溶媒には不溶ですがポリビニルピロリドンの機能特性の多くが保持されています。吸湿性があり、タンニン、フラボノイド、染料のような電子供与性物質と強固な錯体を形成し、染料、印刷インキ、ポリフェノールなどの色を含む様々な物質を吸着します。
アルキル化ポリビニルピロリドン
ポリビニルピロリドンポリマーのビニル基および5員環ラクタムの水素部分がアルキル化された構造をしており、そのコポリマーの構成割合およびアルキル成分の種類によりグレードが分かれています。その組成によって疎水性の程度が異なります。有機溶媒系のインキやコーティングの顔料分散剤としてもご使用いただけます。
グレード | コポリマーの組成※1 | Tg/融点 | 粘度※2 | 供給形態 |
---|---|---|---|---|
P-904LC | 90% VP、 10% C4 オレフィン |
155℃ | 14(25℃)(a) | 白色の粉末 |
V-516 | 50% VP、 50% C16 オレフィン |
150℃ | 300(25℃)(b) | IPA中有効成分55% |
V-216 | 20% VP、 80% C16 オレフィン |
融点8.5℃ | 2500(50℃)(c) | 粘稠な液体 |
V-220 | 30% VP、 70% C20 オレフィン |
融点約35℃ | 20M(80℃)(d) | 蝋状 |
WP-660※3 | 20% VP、 80% C30 オレフィン |
融点約63℃ | – | フレーク状固体 |
※1:VP=ビニルピロリドン、C4αオレフィン=1-ブテン、C16αオレフィン=1-ヘキサデセン、C20αオレフィン=1-エイコセン、C30αオレフィン=1-トリコセン
※2:ブルックフィールド、cP:(a)RVT#2、20rpm/固形分10%、(b)RVT#3、20rpm/asis、(c)RVT#2、20rpm/neat;、(d)RVT#5、20rpm/neat.
※3:米国 EPA TSCA(毒物物質規制法)目録に記載されていない物質。
ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー
ビニルピロリドン/酢酸ビニル比が70/30から30/70の直鎖ランダムコポリマーです。分子量は約15,000~60,000の熱可塑性樹脂で、ビニルピロリドン含量が増加すると親水性も上昇します。このコポリマーは、ガラス、プラスチックおよび金属に接着するコーティングのバインダーとしてもご使用いただけます。
PVP/VAのグレード | 供給形態 | およその分子量 | Tg(℃)、分子量範囲低~高 |
---|---|---|---|
E-335、-535、 -635、-735 |
50%エタノール溶液 | 29,000-57,000 | 69、96、106、117 |
I-335、-535、 -735 |
50%IPA溶液 | 13,000-22,000 | 71、89、108 |
W-635、-735 | 50%水溶液 | 15,000-27,000 | 99、114 |
S-630 | 乾燥粉末 | 51,000 | 110 |
グレード | %VP | ||
E-735、I-735、W-735 | 70 | ||
W-635、S-630 | 60 | ||
E-535、I-535 | 50 | ||
E-335、I-335 | 30 |
ビニルピロリドン/スチレンコポリマー
ポリビニルピロリドン/スチレン比が30/70のグラフトコポリマーです。ガラス、プラスチック、金属に容易に接着する透明な熱可塑性膜を生成し、疎水性コーティングや耐油性コーティングなどにもご使用いただけます。
機能性ポリマー ポリメチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー
ポリメチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー
このコポリマーはメチルビニルエーテルと無水マレイン酸が交互に並んだ構造をしています。グレードは分子量によって4種類あり、すべてにおいて透明で粘着性のない膜を形成します。基本的には無水マレイン酸のコポリマーでご提供させていただき、水やエタノールなどのアルコールに溶解していただくことで開環することが可能です。
グレード | 粘度※1 | 分子量※2 |
---|---|---|
AN-119 | 0.1-0.5 | 130,000 |
AN-139 | 1.0-1.5 | 690,000 |
AN-149 | 1.5-2.5 | 1,250,000 |
AN-169 | 2.6-3.5 | 1,980,000 |
※1:cSt、MEK 中 1%(25℃)、Cannon Fenske、チューブサイズ100
※2:Mn、SEC/LALLS検出器